ファーウェイのスマホ、何が問題? 初心者向けにわかりやすく解説
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ファーウェイのスマホ、何が問題?初心者向けにわかりやすく解説
「2019年夏モデルのファーウェイ製スマホの発売が延期」、「今後ファーウェイのスマホでは、Androidが利用できなくなる?」等、何かと話題(問題)になっている「ファーウェイ」。
スマホ業界のことにあまり詳しくない方のなかには、「そもそも何が問題なのか?」、「現在ファーウェイのスマホを使っている場合や、これからファーウェイのスマホの購入を考えている場合、自分とどう関係あるのか」等が、イマイチよくわからない…という方も多いのではないでしょうか?
今回のSIMプランナーのニュースでは、ファーウェイのスマホがなぜ問題になっているのか、そして、ユーザーにどのような影響があるのかについて、初心者向けにわかりやすく解説します。
(※以下で紹介する情報は、2019年5月23日現在のものです。状況は、今後変更する可能性があります)
Memo「ファーウェイ」とは?
中国 深圳に本社を置く通信機器メーカー。ハイスペックながらも、リーズナブルな料金を実現したスマホ端末やタブレット多数販売し、日本では格安スマホ市場を中心に人気を集める。
近年では、ライカ社と共同開発したカメラや、AI機能付きカメラなど、高性能なカメラ機能を搭載した端末を発売。格安スマホ市場だけではなく、大手通信キャリアでも取り扱いを開始するなど、販路を拡大していた。
ファーウェイのスマホ、何が問題なのか?
アメリカが、米国籍企業との取引を禁止するリストにファーウェイを追加
2019年5月15日、アメリカ商務省は、アメリカの国家安全保障を脅かす存在だとして、ファーウェイとその関連企業68社を、米国籍企業との取引を禁止する企業リスト「エンティティリスト」に加えました。
「エンティティリスト」に追加されると、その企業は、米国に由来する製品やサービスを輸出することが難しくなります。(※アメリカから第三国を経由して輸出する場合も同様)
なぜファーウェイはアメリカの国家安全保障を脅かす存在なのか?
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そもそも、なぜファーウェイはアメリカの国家安全保障を脅かす存在とされているのでしょうか?
その理由は、中国の法律にあります。
中国では、政府によって命じられれば、国内企業や市民、組織は治安当局に協力・支援する義務があると法律で定められています。つまり、ファーウェイも、政府から協力するように命じられれば、スマホに登録された個人情報の提供など、どんな要請に対しても従わなければなりません。
ファーウェイには、これまで、秘密裡にスマホ端末の情報を中国本土(中国政府)に送信している疑いがあり、情報漏洩のリスクがあるとして、アメリカの国家安全保障を脅かす存在とされているのです。
そして、ファーウェイが「エンティティリスト」に追加されたことを受け、Googleがファーウェイ向けのソフトウェアの出荷停止を発表しました。
これにより、今後、ファーウェイの製品でGoogleのサービスが利用できなくなる可能性が出てきたのです。
〈例〉
- ファーウェイ製品(スマホやタブレットなど)で基本ソフト「Android」のアップデートができなくなる
- ファーウェイが今後、中国国外向けに発売するスマホ端末では、Google PlayやGmail、You Tube、Chromeなど、Googleのサービスが利用できなくなる
※ファーウェイは、Googleが利用できなくなった場合に備え、Androidをベースにした独自のOSを開発中と発表しています。
ユーザーへの影響
それでは今回の問題は、ユーザーにどのような影響があるのでしょうか?
- 現在、ファーウェイ製のスマホを利用している場合
- 2019年5月20日、Googleの広報は、ファーウェイの既存端末におけるサービス(セキュリティアップデートなど)の提供は今後も継続すると発表しています。
つまり、現在、ファーウェイ製のスマホを利用している場合、当面は今までと同じようにGoogleのサービスを利用することが可能です。
ただし、状況が変わる可能性もあるため、アメリカ政府やGoogle、ファーウェイの動向を定期的にチェックしておくのが安心といえるでしょう。 - 発売を予定しているファーウェイ製スマホの新機種は?
- ファーウェイの一連の問題を受け、大手通信キャリアを中心に、ファーウェイ製スマホの新機種を2019年夏モデルとしてラインナップしていた一部の通信事業者は、相次いで、発売予定だった新機種の予約受付停止・発売時期の延期等を発表しています。
2019年5月23日現在、大手通信キャリアを中心に、2019年夏モデルにファーウェイ製スマホの発売を予定していた通信事業者の対応は以下の通り。
〈ファーウェイ製スマホの発売を予定していた各社の対応〉 ※2019年5月23日現在
該当機種 | 対応状況 | |
---|---|---|
ドコモ | HUAWEI P30 Pro | 事前予約受付停止。予約受付再開については、別途案内。 |
au | HUAWEI P30 lite Premium | 発売時期未定。発売日が決定次第、案内。 |
ソフトバンク | 取り扱いなし | – |
ワイモバイル | HUAWEI P30 lite | 発売時期未定。2019年5月22日以降、予約受付停止。 |
UQmobile | HUAWEI P30 lite | 発売日未定。 |
楽天モバイル | HUAWEI P30 lite | 発売延期。発売時期未定。 |
今後、ファーウェイのスマホの利用を検討する際は注意が必要
今後、ファーウェイ製のスマホが日本のスマホ市場でどうなっていくのかは、現時点(※2019年5月23日現在)では未知数です。
ただ、今後、日本で発売されるファーウェイのスマホに関しては、基本OSにAndroidが搭載されない可能性もあるため、ファーウェイのスマホへの乗り換えを検討する際は、端末に搭載されているOSや、(AndroidがOSとして搭載されている場合は)セキュリティアップデートに対応しているか等をしっかり確認することが大切だといえるでしょう。
また、ファーウェイのスマホを利用する際は、当面の間、アメリカ政府やGoogle、ファーウェイの動向をチェックしておくと安心かもしれません。
2019年5月現在、格安SIM・格安スマホの通信事業者の多くは、ファーウェイの端末を取り扱っており、リーズナブルな料金でハイスペックな端末が使えると人気を集めています。
今後、格安スマホへの乗り換えや、スマホ端末の機種変更をする際は、上記でご紹介した動向も考慮し、自分に合ったスマホ端末を選ぶことが大切だといえるでしょう。